ハイサーイ。10月に入って、沖縄もだいぶ涼しくなり、夏の終わりを感じる今日この頃、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。10月の沖縄は、北風の日が増え、カラっとした過ごしやすい季節です。とはいえ、9月までの高温多湿の暑さが懐かしいです。
今回、夏野菜として重宝する空心菜(沖縄ではエンサイ、エンツァイということが多い)の家庭菜園のポイントについてご紹介します。
沖縄は暑いので、夏場の葉物野菜があまり取れないです。キャベツや白菜など、スーパーで驚くほど高い値段で販売しています。そんなとき、少し葉物を加えて緑色を足したいときに重宝する空心菜。歯ごたえもシャキシャキしていて、癖が少ないので、どんな料理にも合わせやすいので、家庭菜園にあると便利です。栽培方法も簡単なので、ぜひチャレンジしてみるといいと思います。
種まき
種まきは6月くらいがちょうどいいと思います。ポッドにたっぷり土を入れて水を染み込ませて、常に湿っている状態で乾かないようにのが発芽の成功率を上げるポイントです。毎日水を上げてもよし、毎日の水やりが難しい人は、下皿に水が浸るくらいに水を入れて、常に土を湿らせた状態にしておくといいです。
種は5mmくらいで、レタスやハーブに比べるとかなり大きいです。アサガオの種くらいの大きさです。
ヒルガオ科の植物で、花の形がアサガオに似ているので、結構近い部類なんだと思います。
1週間くらいたつと発芽しますので、そこからは土の表面が乾かないように水やりをしていきましょう。空心菜は暑さと水に比較的強いので、毎日たっぷり太陽の光と水を上げても大丈夫でした。育ててみて、とても生命力が強い植物だと思いました。
発芽
1週間~遅くとも2週間で発芽します。
写真のように、Yの字のような2つに分かれた葉っぱが出てきます。
そこからみるみるうちに葉っぱが増えてきて、ぐんぐん育ってきます。太陽と水が大好きな植物なので、日当たりの良い場所で育ててあげるといいです。
だいたい、種まきから1ヶ月くらいでここまで成長します。収穫まではもう少しです。
これくらいになったら、ポッドから大きな鉢に植え替えてあげましょう。今回使用したポッドは直径12cmのポッドです。
大きくなってくると、自分の身体を支えられなくなって横に伸びてきます。そうなってきた場合は、先芽を摘心してあげると、その茎から新しい新芽がどんどん出てきて、収穫量が増えます。
収穫
ここまで成長するのにだいたい2ヶ月くらいです。ここまで成長すれば、少しずつ収穫して大丈夫です。中のほうの茎を根元付近からパキっと折り曲げるようにすると、簡単に折ることができます。風通しを良くしてあげて、日光がまんべんなく当たるように、茎間にある枝は取ってしまいましょう。
大きめの茎を4本くらい収穫し、5cmくらいの長さにカットし、オイスターソースとニンニクでシンプルに炒めるだけで、東南アジアや中華料理でよくある、空心菜炒めの出来上がりです。
食感がシャキシャキして美味しいですよ。途中で収穫しても、次から次へと、新芽が出てきて、1週間後にはまたうっそうと茂ってくるので、ここから10月くらいまで、害虫などの被害に会わなければ、毎週のように収穫できます。
収穫後の開花
10月くらいになると、わき芽から葉っぱではなく、なにやら蕾のような形をしたものが生えてきます。
この蕾が花を咲かせます。真っ白でとても透き通った綺麗な花で、アサガオのように、朝方の早い時間に咲いて、夕方にはしぼんでしまいます。この間に受粉すると、後に種になります。
害虫(ハダニ)
ベランダと玄関先で育てていた中で、ベランダで育てていた空心菜の様子が変なことに気が付きました。明らかに葉っぱの色がおかしい。そして、蜘蛛の巣のような細い糸状の巣みたいなものが、新芽が出てくる分かれ目にあるではありませんか。
調べてみると、ハダニでした。葉っぱをよく見ると、1mmにもみたないくらい小さい卵のようなものがついていて、よく見ると動いています。
見る見るうちに葉っぱが黄色くなっていくではありませんか。これはいかんと、ハダニの駆除方法を調べたところ、ハダニは水に弱い!しかも、片栗粉を薄めた水やコーヒーを霧吹きでかけると、呼吸器につまって、ハダニを駆除できるということだったので、試しにやってみました。
結果、ダメでした。
多少の効果はあり、一時的に減らすことはできましたが、全滅させることができず、ハダニの繁殖能力の方が上回り、また増えてきます。イタチごっこなのであきらめかけたときに、どこからともなく訪問者がやってきました。
もうハダニのスプレーによる駆除は諦めて、ハダニのついた葉っぱをすべて取ることにしました。ここまで葉っぱを取っても、下の方からまた新芽が生えてくるので、驚くべき生命力です。
我が家の結論からすると、ハダニの被害にあった場合、いったんハダニがついたすべての葉っぱ取り払うのが、手間もかからずいいです。日々、観察していると、異変に気付くので、早い段階で気付けば、少しだけの排除で済みます。放っておくと、あっという間に全体に広がり、他の植物へも派生するので、早めの対策をおススメします。
カメムシによるハダニ駆除
ハダニの対策を諦めかけていたころ、予想外の訪問者が現れました。
おそらくホウズキヘリカメムシだと思います。(だれか詳しい人いたら教えてください。)ハダニを退治してくれるかどうかわかりませんでしたが、以前に、アブラムシが増えた場合は、てんとう虫🐞が退治してくれるというのを聞いたことがあったので、カメムシを見守ることにしました。幸い、果樹系の作物を育てていなかったので、カメムシの害に会うのは、人間くらいです。
しばらく放置していると、ハダニが居なくなりました。カメムシが食べたのかどうか定かではありませんが、確実にカメムシがついた空心菜からは、ハダニが消えました。いつも茎について何やら吸っている感じですが、空心菜自体が弱ることもなく、元気に育ってくれています。
とはいえ、カメムシが住み着いている空心菜を食べるのも気が引けますが、卵などついていないかよく見て、新芽の部分だけを選んで食べることが可能だと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。夏野菜として重宝する空心菜。発芽さえしてしまえば、生命力が強いので、あまり手がかからず、簡単に育てられます。成長スピードも速いので、ちょくちょく収穫しながら、夏の間、栽培できるのでおススメです。
かなりボリューム感があるので、1つの鉢くらいで十分だと思います。我が家の空心菜は、ハダニの被害に会いましたが、虫や病気などにも強い植物なので、初心者にも簡単に育てられます。何日か水やりを忘れると、萎れたようにシンナリしますが、水を上げると、次の日には完全復活しています。
沖縄の真夏の直射日光ももろともしない強さがあり、栄養素もしっかりあります。
カルシウム、ビタミンA・B・C・E、β-カロテン、葉酸、鉄分、食物繊維、カリウムなどが含まれています。 それぞれの栄養素は、ほうれん草の約2倍から4倍というから驚きです。また、β‐カロテンやビタミンEが多く、どちらも油と一緒に炒めると吸収率が高まるようなので、オイスターソースとニンニク炒めで夏バテ予防にもなります。我が家では、インスタントラーメンを食べるときに、野菜として入れることが多いです。
夏野菜が少ない時期に、本当に重宝しますので、ぜひ、騙されたと思って栽培してみてください。確実に元はとれると思います。
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