ハイサーイ。10月から沖縄の農業は本格稼働!今朝も畑を耕して気分は上々のトーピーです。
今回、私が農業を始めるにあたって、農家さんからおススメされた、2021年度の新規就農支援講座の内容について、ご紹介します。
各カリキュラム事の記事一覧を更新中。講座内容、各講座の詳細を知りたい方は、
目次の「カリキュラム」からどうぞ!
はじめに
まず、新規就農支援講座というのは、各都道府県の農業普及委員会と呼ばれる組織が、農業人口の減少に伴い、新規就農者を支援するために、無料で開催してくれる就農講座のことです。
毎年、5月のGW明け頃から1ヶ月間、受講生を募集します。
今年の募集期間は:令和3年5月7日(金曜日)から令和3年6月7日(月曜日)まで でした。
いつ頃、公示されるかわからないので、沖縄県であれば、
農林水産部の営農支援課へ確認することをおススメします。
今回、私は沖縄県中部地区の新規就農支援講座に参加しました。全部で11講座と2回の圃場見学があり、そのうち、9つの必須講座を受講すると、受講証明書をもらうことができるものです。
メリット
この新規就農支援講座を受けておくことのメリットは、大きくわけて以下の3つあります。
- 人脈、仲間を作ることができる。
- 新規就農者向けに各自治体が様々な補助制度を優先して受けることができる
- 新規就農するにあたっての心構え、問題点、トラブル回避方法など事前知識を得られる
特に、人脈や仲間づくりという点が大きいです。
農業委員会の方々や、普及委員、JA、市場の方々など、農業をやっていくうえで避けては通ることができない人脈や相談できる先輩方との人脈を築くことができます。
また人脈を築くことで、新規就農をするうえで必要な畑の確保や、資金調達など、様々な補助を受けられる優先順位が上がります。
※近年、補助金目的で就農して、実態は農業をやらず、または途中でやめてしまい、結果的に、農業の普及に役立てることができなかった事例が沢山あるようです。そのため、現在では、農業に関連する補助を受けるためには、様々な審査や、優先順位付けがされており、補助を受ける条件が年々厳しくなっているようです。それはそうですよね。元々の原資は、国のお金、国民が納めた税金なわけですから、いくら国の制度とは言え、1円でも無駄には使ってほしくないものです。
受講日程
そんなわけで、今回、コロナ禍ということもあり、緊急事態宣言の延長にともない、短期間の日程で開催されたので、講座毎の内容について、簡単にご紹介します。
受講内容と日程は上の通りです。もともとは6月の終わりから7月の終わりにかけて、1ヶ月間の日程で、毎週木曜日に行う予定でした。しかしコロナ禍で緊急事態宣言の度重なる延長によって、8月に集中した過密スケジュールに変更となりました。
カリキュラム
土壌分析結果に基づく土づくりと肥培管理 「琉球肥料株式会社」
この講座では、土づくりの基本と肥培管理について学ぶことができました。
沖縄の土の特徴や、土壌分析によるコスト削減方法、土作りの基本、土壌の栄養、微生物のバランスの整え方など、作物を生産するうえで基本となる土づくりについて、詳しくまとめました。
農地の確保方法について 「農業振興公社」
この講座では沖縄で農地を確保する際に必要な知識と手続き、現状の問題点などについて学ぶことができました。
沖縄という特殊な地域において、移住者が農地を確保することがどれだけ難しいか、また、農地を確保するうえで、サポートしてくれる支援事業について、詳しくまとめました。
沖縄で農地確保する方法についての記事はこちら
新規就農者への支援制度 「普及指導員」
この講座では、新規就農者に対する様々な支援制度や取り組みについて学ぶことができました。
準備型/経営開始型の支援内容についての詳細や、助成金を受けるために最低限必要な準備、市町村や、農業委員との連携など、実際に普及指導員の方にヒアリングした生の声をもとに、くわしくまとめました。
市場流通の仕組みと出荷の留意点 「協同青果株式会社」
この講座では、市場流通の仕組みや市場と農家の関係、出荷方法について学ぶことができました。市場の利用方法から上手な活用方法についてまとめました。
農産物直売所からみた栽培品目のポイント 「中部ファーマーズマーケット」
この講座では、直売所への出荷方法から、直売所と農家さんの関係性、共存することによって沖縄の農業と未来のために取り組む直売所の考えについて学ぶことができました。
農産物直売所(ファーマーズマーケット)についての記事はこちら
病害虫駆除と農薬使用の基礎知識 「第一農薬株式会社」
沖縄でよく発生する病害虫のことや、農薬の基礎知識、一言で農薬と言っても、すべてが劇薬というわけではなく、様々な用途があることを学ぶことができ、農薬に対する見方が変わりました。
農薬の基礎知識についての記事はこちら
簿記記帳の方法について「JAおきなわ」
就農する上で欠かせない売上、経費等の会計処理について学ぶことができました。
簿記記帳の方法についての記事はこちら
青色申告について 「中部青色申告会」
就農する上で欠かせない青色申告について、普段あまり耳慣れない税制のことや、農業ならではの節税措置について学ぶことができました。
確定申告の基本についての記事はこちら
農業共済制度について 「農業共済組合」
農業共済制度について、農家さんを守ってくれる様々な制度があることを学ぶことができました。
沖縄県農業共済制度についての記事はこちら
農業機械の安全な使い方について 「農業機械士会」
農業機械の安全性、危険性、農業に関連する事故の状況について学ぶことができました。
(近日、更新予定)
農福連携について 「農福連携支援者」
農業と福祉の連携で、様々な取り組みと制度があることを学ぶことができました。
(近日、更新予定)
閉講式
受講証明書の授与があり、これまで受講してきた内容をもとに、今後の抱負を指導員や受講者の前で簡単なスピーチを行い、今後の就農準備に向けてやる気とモチベーションが向上しました!
最後に
というわけで、約2ヶ月間におよぶ講座は、どれも知らないことばかりで、特にその地域に密着した内容だったので、就農を考えている人がいたら、まず、畑のある地域の農業委員会か、農林水産部の営農支援課のような部署を訪れ、新規就農支援講座についてヒアリングしてみることをおススメします。
農業の担い手が減少している今、日本全国どの地域においても、農業人口の減少、耕作放棄地の再活用など、課題はたくさんあります。そのためにも、新たな農業の担い手が必要です。やる気さえあれば、指導員の方が親身になってアドバイスしてくれるでしょう。そして、農業普及に向けた国の支援制度がたくさんあり、特に農業は年々手厚くなっています。ただし、補助金申請などの審査は厳しくなっています。
指導員の方も人間ですので、一生懸命、その地域の農業普及に向けて一緒に取り組んで行こうという意思が強い人にのみ、大切な国民の税金を使って支援してくれる!
よく農業は儲からない!初期投資が多い!最初の3年間くらいは赤字続きだから貯金が必要!と言われています。確かに参入障壁はそれほど高くはないですが、いざ経営となると、続けていくことはとても大変で、長く続けられず諦めてしまう人も少なくありません。そうならないためにも、営農支援課や普及センターの指導員の方々が、新規就農希望者に対して、全面的にバックアップしてくれる制度があるので、必ず利用して、地域社会の課題を一緒に取り組んでいけるような関係を築けると、持続可能な農業として長く続けていけるのではないでしょうか。
どうせやるなら100歳なっても一生続けていけるような、それぞれが自分なりの就農方法を見つけて長く続けていきたいものです。
おきなわしあわせブログでは、沖縄県の中部地方で一緒に農業をやってみたいという仲間を常に募集しています!趣味の家庭菜園からでもかまいません。一緒にゆんたくしながら土いじりし、好きな作物を苗植えから収穫まで体験してみませんか。自分の畑で育てた野菜はスーパーで売っている野菜とは別格です。ついさっきまで大地の恵みを受けて成長していた野菜をとれたての状態で食べるなんて、贅沢ですよね。気軽にコメントください。
沖縄で農業するまでの様子について書いた記事はこちら
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