ハイサーイ。今回、私が農業を始めるにあたって、先輩農家さんから「必ず受講したほうがいい!」 しかも有料級の情報が「すべて無料!」とおススメされた、新規就農支援講座(2021年度)の1つ、「肥料と土作りについて」の講座内容について、ご紹介します。
この講座で特に勉強になったのは、以下の3つです。
- 「土壌分析により、最適な肥料を使うことによるコスト削減」
- 「低成分肥料の選択」
- 「連作障害とその回避方法について」
これらを、講座の内容をもとにわかりやすくご紹介します。
ここで、新規就農支援講座を簡単に説明すると、各都道府県の農業普及委員会と呼ばれる組織が、農業人口の減少に伴い、新規就農者を支援するために、無料で開催してくれる就農講座のことです。
今回、私は沖縄県中部地区の新規就農支援講座に参加しました。全部で11講座あるうちの1つ、肥料と土作りの講座について、簡単に紹介します。
今回の講師は「琉球肥料株式会社」の方でした。
作物に必要な肥料(窒素、リン酸、カリ)
知っておくべき基本として、作物に必要な肥料として、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)があります。なぜかというと、作物が成長する上で必要なもののうち、炭素や酸素など空気中から十分に吸収できるものと、肥料として与えてあげないと不足してしまうものがあります。そのうちの大きなものとして、 窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K) があります。
ミネラルたっぷりの豊な土壌であれば、最初のうちは不要かもしれませんが、作物が成長するにつれて、土の中の栄養分を吸収していくため、徐々に土の中の栄養分が不足していきます。そのため、美味しく元気のよい作物を作るためには、途中で堆肥などで補う必要があります。
肥料成分の働き
窒素、リン酸、カリは、それぞれ作用する働きが違います。
このように、作物の種類や、成長過程において、必要な栄養分を必要なだけ与えることは、作物を生産する上で、基本中の基本だということを学ぶことができました。
【窒素】 野菜など、葉っぱや茎を成長させる場合は
【リン酸】 果実など、花や実をつけたい場合
【カリ】 根っこの生長を助け、直物の活性をよくさせたい場合
こういった基本的なことは、本やネットなどで調べればすぐに出てくるのですが、やはり、講座として、講師の先生からしっかり教えてもらうことで、身になると思いました。
土作りの重要性
土作りは、生産する作物によって大きく変わってきます。また、作物の肥培管理野菜を生産する場合と、果樹を生産する場合で、肥培管理が大きく変わってきます。
野菜などは、植え付け前に基肥を入れ、作付け後に、適切なタイミングで発育状況をみて追肥を行います。
果樹や観葉植物の場合は、野菜と違って、収穫後、十分に土を耕すことができないため土づくりがとても重要になってきます。
そのため、定期的に土壌分析を行い、不足している肥料を追加して、土壌のバランスを保つことが、良い作物を生産する上で、とても有効的になります。
沖縄(中部地方)の土の特徴
沖縄の土の特徴は大きく3つに分かれます。
- 国頭マージ
- 島尻マージ
- ジャーガル
国頭マージは、赤褐色で酸性、土壌の栄養が乏しい。パイナップルや果樹系の作物の栽培に向いている。
島尻マージは石灰含量が多く、水はけが良い。根菜類や葉物の栽培に向いている。
ジャーガルは養分豊富で肥沃な土壌。粘土質のため水持ちが良く、逆に言うと水はけが悪い。自分が借りている畑(沖縄市周辺)はジャーガルです。栄養を多く吸収するバナナやパパイヤ、また芋類の栽培に向いている。
このように、沖縄県の中部地区でもこれだけ場所によって土の性質が変わってくるため、植え付ける作物によって、何が適しているかを見極める必要があります。また、作りたい作物に対して、畑の土が向いていないようであれば、土壌改良を行う必要があるということを学びました。
連作障害
畑をやっていると1,2年置きに、植え付ける作物の場所を変えることがよくあります。大きな理由として、連作障害を避けるためです。連作障害は、同じ科の野菜を植えることで、土の中の栄養素・土壌生物のバランスが崩れることによって起こります。同じ科の野菜の場合、土から吸収する栄養素やその野菜に住み着く生物がほとんど同じになるので、そればかりを植えていると、だんだんとバランスが崩れていきます。そのため、土壌のバランスを整えるために、追加の肥料や、別の作物を植えるんですね。
また、連作によって、土壌内の養分バランスが崩れると、様々な障害がおきます。
①土壌障害
病原となる細菌やカビ、ウイルスが土の中での割合が増えすぎてしまった畑で野菜を育てると、病気になりやすくなってしまうというものです。(青枯れ病などの病気にかかりやすくなります。)
②生理障害
野菜の生育に必要な栄養素はいろいろありますが、それらの栄養素がそれぞれ少なすぎても多すぎても生育に障害が出てきます。(花が咲かない、葉っぱが黄色くなる、など栄養不足が原因です。)
③土壌害虫
土壌にいる特定の虫が増えすぎることによって起きる障害です。(根腐れを引き起こす、センチュウがその代表例になります。)
まとめ
このように、沖縄では地域によって大きく3つに土の性質が分かれ、それぞれの土壌に合った作物が変わってきます。また、作付けする作物によって、土づくりがとても重要になり、特に、果樹系の作物などは、一度作付けした後、数年~数十年間は成長させて収穫することになるので、最初の土作りがとても重要になってきます。
記事のボリュームが多くなったので、土壌改良の方法、肥料効果の地力、たい肥の選び方については、別の記事で解説しますね。
つづきの後編「肥料と土作り講座編②」はこちら
新規就農支援講座についての記事はこちら
沖縄で農業するまでの様子について書いた記事はこちら
EM研究機構 直営農場サンシャインファームの朝市の記事はこちら
パッションフルーツの栽培についての紹介記事はこちら
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