ハイサーイ!大好評更新中の新規就農支援講座編!第9弾は、就農希望者に限らず、農家さんなら必ず壁に当たる「農薬」についてです。
「農薬」と聞くと、悪いもの!と想像する人がほとんどだと思います。
私もそうでしたが、この講座を聞いて、これまで知らなかった農薬に関する基礎知識を学ぶことができました。そして、いい農薬と、悪い農薬があること(使い方ふくめて)を知ることができたことは大きな学びだと思います。
最初に断っておくと、私は無農薬・有機栽培派で就農を目指していますが、この記事では、偏った内容ではなく、あくまでも自分自身が講座を通して感じたこと。考えあらてめて勉強になったことを中心に綴っていきます。
また、今回の内容は、第一農薬株式会社さん主催の講座なので、作物栽培に農薬を使用する前提の内容になっています。
私自身、就農の際は無農薬、有機栽培を目指していますが、今回の講座を受講して、「農薬==悪」 という認識を改めるきっかけとなりました。
自分は普段からあまり薬に頼らないようにしていますが、風邪を引いてどうしても身体がきつい場合は薬を飲みます。痛み止めや胃薬も摂取します。体に害の少ない薬であれば服用します。
それと一緒で、植物も人間と同じ生き物で弱った際に元気を取り戻すために薬も必要な場合もあるということが、納得できました。
この記事でわかること
農薬==劇薬==絶対悪 ・・・ 必ずしもそうでないこと。
農薬取締法という法律について
農薬にも大きく関係する「食品衛生法」について
農薬とは
①農薬の分類とラベルの味方 製剤別、目的別 ②殺虫剤の作用機構 1)神経系殺虫剤 2)その他 ③植物病原菌について ・殺菌剤(予防と治療) ④展着剤について ・機能性と固着性、汎用性 ⑤除草剤 ・土壌処理と茎葉散布
農薬取締法について
農業に携わる人以外は知らないと思いますが、農薬を取り締まる法律があります。
- 無登録農薬の製造、輸入、販売、使用の禁止
- 農薬使用基準(ラベル記載内容)の遵守
<罰則>
〇違反した場合:三年以下の懲役か100万円以下の罰金
〇違反したものが法人の場合:1億円以下の罰金
食品衛生法
食品の安全を確保するため、出荷された食品中の残留農薬のチェックを行う。
農薬の種類
主な製剤は以下
- 乳剤
- 水和剤
- 顆粒水和剤
- フロアブル剤
- 顆粒水溶剤
- 粉剤、DL粉剤
- 粒剤、細粒材
- エアゾール
- スプレー
ラベル表示に利用方法から注意事項が記載されています。
希釈倍率や、使用可能時期まで、しっかりとラベルに記載されています。
安全に使うためには必要不可欠な情報ですね。
農薬取締法に抵触することのない使用方法が記載されているということですね。
防除日記が必要な理由
しっかり記帳して管理することで、消費者へ情報提供することができ、信頼が高まります!
農薬は、製品ごと、有効成分ごとに最大使用回数が決められています!
また、農薬の世界にも「ジェネリック農薬」があり、有効成分が同じでも商品名が異なる商品が存在します。
おわりに
いかがでしたでしょうか。農薬に関する知識が深まることで、農薬==悪 という間違った認識を改めらるきっかけになればうれしいです。
スーパーや直売所に置かれている農産物において、「無農薬」と記載されていないものは、少なからず農薬が使用されています。なぜなら、ほとんどの消費者は、通常の野菜よりも割高で虫食い跡があって形が悪い無農薬野菜よりも、色つやが良く値段も安い野菜を選ぶ傾向があります。
自分もよく行くスーパーの片隅にあるオーガニックコーナーは、チェックするだけで購入には至らないことが多々あります。見た目が変わらないにもかかわらず、価格が2倍するので、お得感に欠けるからです。直売所で同額ならば無農薬、減農薬の野菜を購入するようにしています。
農家さんも生活するために必死です。作る立場になって、いくらこだわりを持って作っても売れずに廃棄することになるのは辛いと思います。
農薬と言っても、中には人間でいう風邪薬のような農薬もあります。農薬というだけで「劇薬」のようなイメージがあるのが良くないのかもしれません。だって、人間も病気になれば薬を飲みますよね。
病原菌にかからないように未然に防ぐワクチン的な役割をもつ農薬もあります。また、病気にかかった際に重症にならないよう復活させる薬や、殺虫剤も農薬です。
ひとくくりに農薬というのではなく、必要最低限に使用が許されている範囲で使うことが許容されている薬は使うことも選択肢として入れておくべきなのかなとも思いました。だって、農薬を頑なに使用しないことで、収穫間近にすべての作物が朽ち果てていくのを見過ごすわけにはいきませんよね。
自分は、100人の農家がいれば、100通りの考えがあってよいと思います。一番大事なことは、嘘をつかないことです。
自分がつくった作物を楽しみに待っている消費者(ファン)がいて、その人たちへ安定供給するために、安全が確保された農薬(減農薬)を必要最低限に使用するということは、生産者としての責務でもあります。
現在はスマート農業の技術が進歩し、ドローンを使って、効果的に病害虫で傷んだ箇所のみ農薬で治療することができるようになってきました。
これからますます、農業のIT化が進み、持続可能で革新的な農業技術が生まれてくる時代です。
「農薬」==「悪」ではなく、次世代の若い人たちが、柔軟な思考で、格好いい農業ライフスタイルを確立していける!そんな時代がもうすぐそこまで来ていると思うと、ワクワク感が止まりません。
ひとりひとりが食の安全について学び、自分にとって安心安全とは何か?を理解することで、誤解のない未来の農業を守ることに繋がればと願っています!
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