新規就農支援講座(沖縄中部地区)振り返り 「肥料と土作り講座編②」

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ハイサーイ。最近は朝晩が涼しくなって、キャンプ日和な日が多く、気分は上々のトーピーです。

前回の記事では、土作りの重要性や、肥料成分の働き、沖縄の土壌についてご紹介しました。

今回は、後編として、土壌改良の方法、肥料効果の地力、たい肥の選び方について、新規就農支援講座で学んだことを、ご紹介したいと思います。

前回の記事「肥料と土作り講座編①」はこちら

それでは続きで、土壌改良の方法から、新規就農支援講座で学んだ内容をかいつまんでポイントをご紹介します。

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土壌改良の方法

土壌改良をするにあたって、土の特徴を踏まえた土作り肥料を選ぶ必要があります。

土壌分析を行うことで、必要な肥料を把握し、作物にとって最適な土壌になるような肥料を使うことが重要です。

作物が好む土壌のpHは?

作物によって好むpHはそれぞれですが、一般的に野菜は土のpHを5.5~6.5(弱酸性)に整えると良いとされています。しかし、ホウレンソウやレタスのように、酸性の土に弱い野菜もあるので注意が必要です。

土のpHと肥料成分の溶け具合、作物の吸収利用度の相関関係は以下の図の通り。

土のpHを5.5~6.5くらいが肥料成分の溶け具合と作物の吸収利用度が高いことがわかります。

土壌改良(国頭マージの場合)

国頭マージは酸性の土なので、アルカリ性の土に改良してあげることで、肥料成分の吸収をより促すことができます。

土壌改良(島尻マージの場合)

島尻マージは弱アルカリ性の土なので、酸性よりに改良してあげると良いです。この時、カルシウムなどアルカリ性の強い肥料を加えてしまうと土のpHがアルカリ性に上がってしまうため、注意が必要です。

土壌改良(ジャーガルの場合)

ジャーガルはアルカリ性の土なので、酸性よりに改良してあげると良いです。同様に、カルシウムなどアルカリ性に傾きやすい肥料を追加しないよう注意が必要です。

要素が欠乏していることを確認する目安は、生長点や、新葉、根で確認することができます。

例えば、パッションフルーツで言うと、マンガンが欠乏すると、上位の葉の色が薄く黄緑色に変色します。

作物の葉っぱの色や形を見て、適切な要素を与えてあげることで、作物は復活してくれます。作物は正直です。

土作りをする際、肥料によって土のpHを整えてあげることで、作物にあった土壌改良をすることができます。弱酸性の土が総合的に野菜作りには良いということがわかりました。

土のpH測定器

土壌のpHを測定する際は、専用の機器があるので便利です。

堆肥(たい肥)の選び方

たい肥には様々な種類があり、土づくりにはとても重要になってきます。それぞれのたい肥によって、準備する時期や投入、開始時期が異なります。

堆肥の原料と、その性質

堆肥は原料によって、さまざまな性質を持っています。特に家畜糞尿の肥料成分含有率は、家畜の種類によって多きく変わります。

特に採卵鶏の鶏ふんは、カルシウムの含有率が他に比べて突出して多いため、土をアルカリ性へ変える傾向が強く、使用する際は注意が必要です。

また、土作りに適した堆肥は、「C/N比(炭素率)」でわかる。

「C/N比(炭素率)」 は、数値が低いほど早く効き、数値が多きほど効きが遅い

土づくりに最適な 「C/N比(炭素率)」20前後らしい!

堆肥の選び方のまとめ

堆肥の熟成具合を判定

堆肥は完熟したものを使うことが重要です。完熟していないと、熟成するために土の養分(窒素など)を多く使って、土壌バランスを崩してしまう可能性があるため。

堆肥の完熟具合は、色と水分で判定できる。黒に近く、適度な水分を含んだ堆肥がよい!

また、匂いで判断することも重要。異臭がする場合は何かがおかしい。人が嗅いでも、森の土のような、カブトムシを飼う土(腐葉土)の匂いに近ければ、土壌の養分バランスの良い堆肥と言える。

緑肥栽培について

緑肥栽培とは、作物の作付け前に堆肥となる植物を植えて、定植前にスキ込んで堆肥とする方法です。そのため、苗の定植から逆算して、たい肥となる植物を育てる必要があります。

代表的なものとして、「クロタラリア」と「ソルゴー」があります。

ソルゴーは緑肥以外にも、防風林対策としても活用できます。

緑肥栽培は手間と時間がかかりますが、コスト的には安く、コスパ的におススメだそうです。

緑肥栽培の注意点

緑肥の栽培と、スキ込みの際に、いくつかの注意点があります。

土壌環境によって、緑肥を選択すると良いです。

敷き草、敷き藁の効果

敷き草、敷き藁にはさまざまな効果があります。

最後に

いかがでしたでしょうか。土づくりに欠かせない肥料。化成肥料、有機肥料、それぞれありますが、いずれにせよ、土壌のバランスを整えてあげることが重要だということを学ぶことができました。

栽培した作物によって、収穫前と収穫後では、土壌バランスが変わってきているため、作付け前に土壌分析を行い、次に作付けする作物を栽培するにあたって、何が不足しているか?一定の栄養が過多の場合は発育障害を起こすことさえあるので、土作りは農業にとってとても重要な要素だと理解しました。

土の採取方法にもポイントがあり、畑土壌と果樹園土壌で採取する土の場所が変わってきます。

毎回、作付け前の土作りで、すべての栄養をバランス良く整えようとすると、それだけで様々な肥料が必要となり、費用も多くかかります。バランスの良い堆肥はお値段も高いです。

土壌診断を行うことによって、不足している栄養素だけを補ってあげることで、費用を抑えることができるので、結果的に農業経営の負担も軽くなるといいですね。

これから就農を目指している方、また、すでに畑をされている方など、少しでも土作りに役に立てることができればうれしいです。

前編の記事「肥料と土作り講座編①」はこちら

新規就農支援講座についての記事はこちら

パッションフルーツの栽培についての紹介記事はこちら

EM研究機構 直営農場サンシャインファームの朝市の記事はこちら

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