沖縄の旧盆をわかりやすく解説。知っておくだけで沖縄の旧盆の見方が変わる豆知識を紹介!

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この記事はこんな人におすすめ!
・沖縄の旧盆の重要性、昔からの風習について知りたい
・沖縄の旧盆(ウンケー/ナカビ/ウークイ)それぞれについて詳しく知りたい
・旧盆の期間中(3日間)沖縄県民の過ごし方について知りたい
・旧盆のお供え物、食事に込められた意味について知りたい

沖縄でお盆は大事な旧暦行事です。

※2023年の旧盆は 8月28日から8月30日の3日間になります。

沖縄のお盆は旧暦の7月13日から15日までの3日間で行われます。
全国的なお盆とは日程だけではなく、細やかな風習が違うことは、余り知られていいないので、
基本的な知識と、自分が「なるほど!」と感じた、沖縄ならではの風習をご紹介します。

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沖縄の旧盆は3日間

盆の入りである13日は「ウンケー」と言い、あの世から祖先の霊をお迎えする日です。
14日は「ナカビ」(中日)、15日は「ウークイ」、祖先をあの世にお送りする日です。

ウンケー(旧暦7月13日)

迎え盆のことです。
お盆入りの13日の夕方から先祖が帰ってくると言われています。墓へ出向き、祖霊に案内をかけ、家まで導きます。(地域によっては玄関先で線香を焚きそのまま家の中へ案内する家庭もあるようです。)ウンケーでは「ウンケージューシー」と呼ばれる、沖縄の炊き込みご飯を供えします。

ナカビ(旧暦7月14日)

読んで字のごとく、お盆の中日で、ご先祖様が一日ゆっくりできる日です。
家に戻って家族と共に、穏やかな一日の時間を過ごすことがご先祖様の目的です。
「ナカヌヒー」とも呼ばれますが、この日はウンケーやウークイと違い、
お仏壇のない家庭は、お仏壇のある家へお中元を持って親族を回るため忙しくなります。
ナカビの昼食は家族でそーめんを食べる風習があります。

ウークイ(旧暦7月15日)

送り盆のことです。
ウークイではご先祖様、故人が天へ戻る日です。滞りなく儀礼を行って、安心して天へ帰っていただくために様々な行事を行います。御先祖様をお見送りするウークイの儀礼は、夕方から始めるのが一般的です。本来はできるだけ遅い時間帯に始めるのですが、最近では集まった親族の帰りの時間も鑑みて、夕方くらいになると始める家が多いそうです。

沖縄ならではのお供えもの

沖縄ならでは、特徴的なお供え物をいくつかご紹介します。

グーサンウージ

7節分のウージ(さとうきび)を二本ひとつとして二組を準備し、両脇にお供えをします。
これは、ご先祖様が家まで歩く際に使う「杖」の役割として飾られているそうです。
グーサンウージの他にも、3節くらいに短く切って7本を一束にまとめたウージを二組お供えします。
ウージの切れ端は、「ミンヌク」で使います。

ミンヌク

「ミンヌク」はお仏壇の提灯の足元など、下の方に置かれるウージの切れ端のことです。野菜の切れ端なんかも一緒に入れます。これは御先祖様と一緒に付いてきてしまった、無縁仏や餓鬼が持ち帰るために用意するそうです。
沖縄では「ヤナカジ」など、多くの「悪しき霊」がいて、餓鬼は「チガリムン」と呼ばれています。沖縄の旧盆では子孫が御先祖様を食事などでもてなすことから、一緒にチガリムンや身寄りのない無縁仏が一緒に付いてくると言われているのです。

「ヤナカジ」とは沖縄の言葉で「悪い風」という意味で、村や家に入り込もうとしている悪鬼悪霊のことをさします。沖縄の家で飾られているシーサーや、道の行き止まりにある石敢當(いしがんとう)と呼ばれる石標などは、ヤナカジから家や村を守る魔よけの役割りとされています。

ウンケージューシー

「ジューシー」とは沖縄の沖縄の炊き込みご飯です。沖縄のソウルフードとして、沖縄そば屋さんやスーパー、パーラーなどでよく見かけます。
ウンケージューシーに限っては、フーチバー(よもぎ)やショウガなど、「香りの強い具材」を加える家が多いそうです。
その理由は、これも御先祖様と一緒にくっ付いて来た、無縁仏の霊やチガリムン(餓鬼)が
ご先祖様にお供えしたウンケージューシーを食べてしまうことのないよう、強い香りで避ける目的があるそうです。

リンゴとバナナの意味

お供え物に果物の盛り合わせは定番ですね。
沖縄の旧盆でお供えをする果物には、リンゴやバナナが定番ですが実はリンゴとバナナには意味合いがあります。
バナナはその形状から父親を表現し、男性のご先祖様への敬意を表しリンゴは女性性・母性として女性のご先祖様への敬意を表ししています。

ナカビのお昼ご飯はそうめん

昔からの風習で、ナカビの昼食ではそうめんをいただきます。ナカビは、ご先祖様が仏壇のある家で過ごしています。
そのため、仏壇のある家族も、気軽に食べられるそうめんやお団子を食べて過ごすそうです。

ウークイのお重料理「ウサンミ」

最終日のウークイでは御願行事の定番である、お重料理の「ウサンミ」を夕食にお供えをします。
ウサンミは手間と時間がかかるので、現代ではあまり食べなくなったそうです。
そのかわり、よく聞くのは、沖縄では旧盆をはじめとした親族が集まる御願行事では、
「中身汁」をふるまうことが多いそうです。

中身汁(中味汁)

沖縄の言葉で“中身(中味と表現される場合もある)”とは豚モツのことで、『中身汁』は豚モツ(大腸・小腸・胃など)を使った汁物。 年末に豚を使った様々な正月用の料理を作る習慣のあった沖縄で、新年に欠かせない料理のひとつです。 お正月だけでなく、親戚や大勢の人が集まるお盆や祝いの席でもよく食べられている料理です。

七夕(タナバタ)

お盆の初日は確かに旧暦7月13日のウンケーなのですが、その前の旧暦7月7日には「七夕(タナバタ)」と呼ばれる、沖縄のお盆が近づいてきたことを、ご先祖様に知らせる(案内する)ための、お墓参りの旧暦行事もあります。

お盆期間中の混雑

沖縄のお盆期間は、人々の移動が多く、特にナカビは親族などがいない観光客や移住者は、あまり移動しない日にした方が良いと思います。
本土で言うところの帰省ラッシュほどではありませんが、それぞれの家庭がこの日に親族回りをするため、一年のうちで一番混雑する日の1つなので、旅行などの予定を組む際は注意が必要です。

まとめ|沖縄の旧盆

いかがでしたでしょうか?
沖縄の風習について、こうして流れと意味合いを理解すると、少し見方が変わってきますよね。自分も移住するまでは、沖縄のお盆が旧盆ということすら知りませんでした。移住してきた最初の夏に、職場でウークイの日に休暇をとる女性が多いことも納得できました。

沖縄ではお盆の行事をとても大切にしています。親戚一同で集まってご先祖様を大事に敬う文化を次の世代にも引き継いでいきたいものです。

本土のように、毎年8月13日から8月16日の決まった日にちにお盆を行うのではなく、今もなお、旧暦に沿って行事を行う文化が残っているのは、自然の大きな流れを大切にしている証だと思います。

他にも清明祭(シーミー)や、浜下り(はまうり)など、旧暦の行事がたくさん残っている沖縄ってなんだかいいですよね。効率が重視された現代のカレンダー通りではなく、自然の摂理に沿った行事が現在まで続いているというのは、心にゆとりを持った、人間本来の生き方な気がします。

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