・沖縄で農地を探している人向けのアドバイス
・沖縄で農地を確保するためにやれることはすべてやりたい人へ
・沖縄で新規就農を考えている人へ
ハイサ―イ!沖縄で暮らしていると、自分の畑を持ちたくなる人も少なくありません。自分で作った野菜を食べたい!土に触れたい!子供たちに収穫体験させてい!そう考えている人は特に移住者に多いように感じます。
そんな人達から良く耳にするのは
・なかなか理想の農地が見つからない ・確保できた農地が、十分な広さではない ・確保できた農地が家から遠い ・作りたい作物に、土壌が合わない ・そもそも、どうやって借りたら良いかわからない
実は、沖縄で農地を借りるのは簡単ではありません。
なぜなら、沖縄では、これまで農地に関連した多くのトラブルを抱えてきた歴史があるからです。農地をめぐっては、地主や近隣住民と、借主との間でトラブルが後を絶ちませんでした。
そんな中、なぜ私が農地を借りることができたのか。
私は2018年に沖縄に移住しました。コネも人脈もない状態で家族4人で移住。ましては脳御油の経験すらない自分が、ゼロから人脈を築きあげて農地を探し、師匠を見つけ、今では理想に近い畑(農地)を借りて農業をスタートすることができました。
この記事では、沖縄で農地を確保するために必要なコミュニティーや情報、 依頼先、効率的な探し方を知ることができます。全ての方法を同時進行することで、農地を確保できる確率が格段に上がります!
この記事を読むと、沖縄において理想の農地を探すための第一歩を踏み出すことができ、あなたに共感してくれる強い味方や仲間を増やすことができます。
結論は、各地域毎に新規就農希望者をサポートしてくれるコミュニティや組織があります。それらのイベントや行事に参加して信頼関係を築き、先輩方や有識者の方々から協力してもらうことで、安心、安全に農業を開始できる農地を確保できます。
沖縄で農地を借りる方法について5つの例を紹介
親族や知り合いに依頼して土地を借りる
一番簡単で確実な方法は、親戚や仲の良い知り合いにお願いする方法です。遠い親戚や繋がりでもかまいません。何も縁が無い人よりも、遠くともどこかで繋がりのある人のほうが借りやすいです。とは言え、それができたらこんな苦労はしていませんし、この記事に行き着くこともありませんよね。
農地バンクに登録して公募の応募を行う
農地中間管理機構(農地バンク)に登録して、公募に応募するという方法があります。これは無料できるため、登録しておくに越したことはないです。農地中間管理機構とは、平たくいうと「畑を専門に扱う不動産管理会社」になります。
農地バンクの活用方法については、以前の記事で詳しく解説しているため、そちらを参考にしてみてください。農地バンクの活用方法についての記事はこちら
各市町村や自治体に相談して農地を斡旋してもらう
各市町村には、「農林水産課」という部署があり、そこで新規就農支援の相談にのってくれる担当の人がいます。どこで農地を借りたいか、何を作りたいか、などなど、様々な視点でアドバイスをしてくれて、JAの偉い人や、農業委員と深い繋がりがあるので、まずは相談してみるといいです。どこか空きが出たら声をかけてください!と熱意を持ってお願いすることでチャンスは広がります。
JA(農協)に相談して農地を斡旋してもらう
各地域毎にJA(農協)があります。JA沖縄が主催するファーマーズマーケット(直売所)だけでも、沖縄県内に11店舗あります。そこには、それぞれの地域の農家さん達の悩みを効いたり相談にのってくれるJAスタッフがいます。その地域の農業事情や耕作放棄地の情報が入ってきたりするので、JAにも依頼しておくと良いです。
「JA==農家の敵」と思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。皆さんそれぞれ違った立場で生活しているわけですから、関係性次第では、仲間であり、頼れる存在でもあるわけです。
沖縄の直売所事情について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
農業委員に相談して農地を斡旋してもらう
各地域毎に農業委員と呼ばれる人たちが数人います。この人たちは、日頃からその地域の農地の管理や耕作放棄地の状況をチェックしています。例えば、ある農地は、春から夏にかけて〇〇さんがゴーヤーを作っていた畑なのに、今年は何も作付けせずに、雑草が生えて荒れ果てている。何か問題でもあったのだろうか?といった具合に、パトロール的な役割りを担っているわけです。
昨今、沖縄に限らず、全国的にも耕作放棄地が増えて問題になっています。原因は農家の高齢化によるものです。そういった耕作放棄地を、次の農業の担い手に活用してもらうために、地主さんと、借主の間に入って、契約から細かい調整まで取りまとめてくれるのが、「農業委員」です。農業委員の人との人脈を作って、耕作放棄地の開拓から始める方法が一番手っ取り早い方法だと思います。
私も、農業委員の方が地主さんから借りた耕作放棄地を開拓することから初めて、農地を借りることがでるようになりました。
実際に農地を借りてみて
私は沖縄県北中城村で約200坪(600㎡)の農地を借りることができました。そこでは週末を中心に畑人仲間が集まって、ニンニク、ジャガイモ、大根、モリンガ、ハーブ系、トマト、などなど、その他にも季節に応じて、少量多品種の作物を育てています。まずは、その土地にあった作物を見つけるためにも、たくさんの種類を育ててみて、合う合わないを見極めている最中です。
収穫時期なると人でが多いほうが楽だし、楽しく作業ができるので、小さい子供がいる友人家族に声をかけて収穫体験のワークショップを行っています。参加者全員が満足してくれて、とてもやりがいを感じる瞬間です。そうやって、輪を広げていくと、参加してくれた人たちが草刈りや植付けから手伝ってくれて、少しずつ仲間が増えてきました。
師匠や仲間との出会いのきっかけ
私の場合、仲の良い友人や、知人の紹介で出会った人に、「近い将来、沖縄で畑をやりたい」ということを話してきました。また、新規就農支援講座や、各自治体で実施している技術講習会に参加して、農業に携わる人たちとの関係作りをするようにしてました。それは決して無理のない程度で、家族や他の人に迷惑がかからないよう、空いた時間を使って、心に余裕があるときにだけ、これらの行動を心掛けてきました。そうしていると、自分と似た考え方で、すでにライフスタイルに畑を取り入れ、人生を楽しんでいる人と、偶然にも出会えたことが最初のきっかけです。
今までとは違う人脈ができる
畑人(はるさー)仲間は、普段の仕事とは別に空いた時間で畑作業をする人ばかりです。なので、住む場所も仕事も違った分野の人たちが集まってくるので、とても新鮮な気分で話ができて知見が広がります。また、収穫した作物をおすそ分けすることで、新しい関係性が生まれることもあります。私の場合、近所の人に収穫したばかりの野菜をおすそ分けすることで、ちょうどよい距離感の近所づきあいができるようになりました。
農地のトラブル
農地はただ借りることができたからと言って、簡単になんでも植えて良いかというと、そうではありません。隣の畑で何を作っているか?隣の畑との境界線はどこか?作物に土壌があっているか?などなど、近隣農家さんたちとコミュニケーションをとりながら進めていかないと、思わぬトラブルに見舞われることが少なくありません。
トラブルの例として、例えば無農薬の有機栽培をやりたい人が新しい農地を借りることができて作付けしたとしましょう。隣の畑では、米やサトウキビなど、大量の農薬を使う昔ながらの作物を作っていたとすると、その散布時に自分の畑まで農薬まみれになってしまう!ということもあります。
また、バナナやパパイヤなど、大量の養分が必要な作物を植えることで、その周辺の土壌を変えてしまうこともあります。実際にバナナやパパイヤの近くで野菜を育てても、栄養を吸い取られてしまうため、普通に育ててもまともに育ちません。害虫問題も同じです。近隣農家さんが作っている作物の害虫を呼び寄せてしまうような作物は、トラブルの元です。
そのため、借りた後に後悔しないよう、借りる前にしっかりと、地主さんや、農業委員の方たちと、農地でどんなことをしたいか?作る作物について、事前に認識合わせをしておく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。沖縄は全国的にも農地を借りることが難しい地域の一つです。特に、那覇や沖縄市など、比較的都会でアクセスが良く人が集まっている地域では、農地がでてきても、よそ者の移住者に回ってくることはほとんど無いでしょう。その影響で、ヤンバル地方(名護市より北)で農地を借りて通っている人も少なくありません。名護市、今帰仁村、大宜味村、東村などは広大な土地があるため、耕作放棄地が多く、比較的借りやすいほうですが、どうしても不便な場所が多いです。
なるべく畑を借りるなら、自分の家や生活行動範囲内から近いに越したことはありませんよね。そのほうが、頻繁に畑に行くことができるので、作物にとっても良いと思います!
今回ご紹介した5つの方法は、全て並行して実践できるので、やっておくに越したことはないです。多くの人たちに声掛けすることで、「あの人は本気なんだ!」という意思表示にもなります。農業の業界はとても狭く、地域の農家さんや、直売所で働く人たちなど、ほとんどが顔見知りのことが多いので、一人でも多くの知り合いを作って、間口を広げて可能性を高めていくことをおススメします。
沖縄では、新規就農者をサポートしてくれる制度がたくさんあり、自治体としても若い農家を一人でも多く育ててゆきたいという思いがあるので、まずは、関係各所に意思表示することから始めてみてはいかがでしょうか。
まずはシェア畑から始めてみるのもいいですね。
新規就農支援講座について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
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